どうして四角いフレームで切り抜いた世界しか残すことができないのか。なぜこんな重大な問題が放置されているのだろうかと疑問をもったことが全ての始まりだった。

David Hockneyや伊藤義彦といった作家の試みを知り、フレームを超えていないのは光ではなく作家の意識であることを意識する。

試行錯誤の結果、1996年にPanorama Ballという球体写真が生まれた。

偶然もあって生まれたPanorama Ballだが、よく見れば見るほど新しい疑問や謎が生まれ、気がつけば10年以上に渡る仕事となって今に続いている。

 

Panorama Ballを平面に展開した円形画像をZerographと命名。360°写せるレンズがもしあれば、という映像を作る事が出来た。

筑波大学の技官だった2003年より、当時学生だった稲葉剛、植村啓市、玉置淳と制作ユニットscopeを結成。人間の視覚の解像度と向かい合う作品として、超高解像度人間大昆虫写真[life-size]シリーズを発表。その後ユニット名は橋本典久+scopeとなる。

2005年より科学技術振興機構(JST)の戦略的想像研究推進事業「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」個人研究タイプ"さきがけ"に研究が採択され、2008年にPanorama Ball の動画版である、球体ディスプレイと全天周カメラによる Panorama Ball Visionと、[life-size]で収集した高解像度の昆虫画像データを利用したデジタルアーカイブZooMuSee(ズームシー)、zerographの動画版であるMotion Zerographを発表。

作品の制作と発表のほか、各種学校や美術館、科学館などでのワークショップも積極的に行っている。