Panorama Ball
1996
自分を取り巻く全天周の光景をフレーミングすることなく記?できないだろうか?という素朴な疑問から生まれた球体写真
そもそも、写真や映像を撮るときに、なぜ四角いフレームで世界を切り抜かなければ記録したり、人に伝えることが出来ないのだろうかという漠然とした疑問を持っていた。
着地点を決めないままの試行錯誤のなかで、100枚以上撮影した写真をハサミで切ってテープで貼るといった単純な作業から、なかば偶然に球体写真が生まれた。
はじめは球の内側に画像を繋いでみたが、ふとした偶然から外側に繋ぐこともできることが分かり、小型球体にすることが可能となった。
手に取って、ぐるぐると回しながら鑑賞する。
1996 年に多面体として作り始め、2003 年にようやく満足のいく球体となった。
小型球体の外面に画象があるため、プラネタリウムのように球体の内部に入る必要がない。
大きな装置が必要ないということは、通常の写真のように個人がプライベートな用途として使えるということである。
手にとることのできる、初の全天周球体写真となった。