模倣
もうこの世にいないけれど、父は刑事だった。
ニュースで和歌山のカレー事件の一報が流れたとき、だれがそんなことをしたんだろうという話になったが、父が言ったのは「模倣犯がでる」だった。
毒を入れるという行為は、力がいらないので負けることが無い。ああ、こんないい方法があったかと、真似をしやすい犯罪だというのだ。事実、この事件を模倣したような事件が起きて驚いた。
今回の餃子の事件の真相はまだ分からないけれど、模倣犯がでないか心配だ。消費者が敏感になっているから大丈夫だと思うけれど。そういえば、と思って調べたところ、グリコ森永事件は2000年に時効を迎えたらしい。
不意に父の言葉を思い出した。