Voice

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Voice, 宮沢賢治, 銀河鉄道の夜

2011年

 

Voiceは、一本の小説の中に秘められた、作者のリズムを音の波形のように可視化した作品である。

小説の裏には読み手は気がつかない特殊なリズムが隠されているのではないだろうか。それを見る事ができないだろうか。

 

表意文字である漢字を全て表音文字であるひらがなに変換すると、文字の長さから音の長さに変わる。声に出したり黙読するときに、リズムが一瞬途切れる句読点で改行し、中央揃えにしてみると、波形が浮かび上がった。不思議な事に、シーンのリズム感や、全体の中での起承転結なども現れているように思えた。

 

肉眼では読めそうで読めない1point(0.34mm) の大きさの文字をレーザーで刻んだ。ルーペで読む事ができる。

 

タイトルは、Voice, 作者名, 小説名 となる。

 

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は未完成の作品で、数文字分の空白や、原稿が数枚無い箇所がある。そこにもまた作者の思いがこめられているように思う。同じ作者でも時代によっての変化などを鑑賞したり、異なる著者の波形の違いを鑑賞することもできる。

 

小説の文章の全てを使っている。テキストのパノラマと言えるだろう。

 

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